ここ最近の洋楽シーンでは、もはや定番となった音楽ジャンル、EDM。「Electric Dance Music」の略でEDMと割とそのまんまですが、クラブフロアなぴったりな、四つ打のビートにキャッチーなシンセやボーカルのフレーズが特徴的な音楽スタイル。主にヨーロッパから人気が出て、その後世界に飛び火し、今やK-POPを中心にアジアでもEDM要素を取り入れた楽曲が増え、最近では日本のJ-POPシーンでもかなりEDM風な曲がチャートアクションを起こすまでになっていますね(実際、安室奈美恵の「Heaven」という曲はZEDDのプロデュースでした)。今回はその中でも定番かつ、EDM界の若きトップアーティストの一人、ZEDD(ゼッド)の魅力を探っていきます。
ZEDDの魅力その1 キャッチャーでメロディアス!
ロシア生まれのドイツ育ち、本名アントン・ザスラフスキーことZEDD。1989年生まれの現在25歳。かわいらしいルックスですが、今や世界のトップDJ・プロデューサーとして2014年の年収も世界で7位の22億円!と超が付くヒットメーカー。彼の楽曲の特徴といえば、まずはキャッチーできれいなメロディ。
こちらの曲はZEDDを代表する2曲、「Spectrum」と「Clarity」。どちらも世界中で大ヒットした曲ですが、とにかく思わず口ずさみたくなるようなメロディが特徴的。メロディメーカーとしての才能を存分に発揮してますよね。ZEDDの両親が音楽家で、小さい頃からクラシックやピアノを学び、10代の頃にはバンドでドラムをプレイしていたそうですが、その辺の音楽的ルーツからもこのセンスに結びついていると思わせます。ダンスミュージックを作る時は、一般的には楽器を弾くというよりかは、パソコンや機材等を使ったいわゆる「打ち込み」で作る人が多いものですが、彼の場合はインタビューでも言っていましたが、曲を作る時はまずピアノの弾き語りからメロディを作り、その出来上がったメロディだけ抽出してシンセ等の音を足していく制作手法だそうです。この辺の手法がメロディアスな楽曲へと仕上がっていく秘訣かもしれませんね。実際、ZEDDのシングル曲などは通常のダンスミュージック版のほかに、アコースティックな楽器で演奏したバージョンも数多くあるのも特徴。
このビデオは「Clarity」のアコースティックバージョンですが、ダンストラックを抜くとさらにメロディの美しさが際立ってますよね。
こちらのビデオはシングル曲「Find You」をZEDD本人がドラムでカバーしてるバージョンですが、ドラムのスキルもかなり上手い!ものすごい正確なドラミングに、見た目とは裏腹にけっこう力強いドラム叩いてます。
ZEDDの魅力その2 フロア仕様のハードな音色と緻密なアレンジ
こちらは「Shave It Up」という曲ですが、この曲に代表される通称「ZEDDベース」と呼ばれるブリブリ言ってるノコギリみたいなベース音もZEDDの特徴の一つ。とてもハードでインパクトのある音色で、ベースラインもメロディアス。
こちらはZEDDがプロデュースしたレディガガの楽曲「G.U.Y.」。この曲もZEDDベース全開。かっこよくてメロディアス。
こちらは「Hourglass」という曲。エレピの高音のパートと低音のパートの伯をずらして演奏しているイントロが印象的。コード展開もちょっと独特で、アコースティック楽器とシンセのデジタルサウンドを両方巧みに、かつ自然に取り入れた緻密なアレンジの1曲。
こちらはSkrillexの「Weekends!!」のZEDDリミックス。まさにZEDDらしさが出てるアレンジ。このビデオの2分ちょっと前あたりに、一瞬リズムがもたつくようなアレンジにしてますが、こういう細かい技もアレンジャーとしてのスキルを感じさせます。
ZEDDの魅力その3 どんな曲もZEDD流にアレンジするリミックス
こちらの曲「Dovregubben」は、クラシックの有名曲グリーグの「ペール・ギュント組曲 4番 山の魔王の宮殿にて」を大胆にEDMにリミックス。アレンジも素晴らしいですが、なんといってもクラシック曲を選ぶセンスがいいですね。
こちらはBlack Eyed Peasのヒット曲、「The Time」のリミックス。原曲の持つイメージを活かしつつも、まさにZEDDを感じさせるアレンジでかっこいいリミックス。
こちらは2014年に大ヒットしたレゲエバンド「MAGIC!」の「Rude」のリミックス。もともとの原曲はゆったりなレゲエだった曲とは思えない程、とってもアッパーでフロア仕様なアレンジ。
ZEDDがデビューのきっかけになったのも、もともとはネット上でのリミックスコンテストで優勝したところから始まったこともあってか、このアレンジスキルも素晴らしいですね。
ZEDDの曲をひとつにまとめたDJ mixもあるよ!
そんなEDMを語る上では外せないZEDDの楽曲をまとめたノンストップDJ mixを作ってみました。初期の頃の曲から、2015年の最新シングル「I Want You To Know」まで選曲したベストアルバム的なミックスとなってます。ちなみにこの最新シングルにボーカルでフィーチャーされているSelena Gomez(セレーナ・ゴメス)はZEDDの恋人としても最近話題になってますね。作詞を彼女が担当したそうですが、なかなかのノロケソングとして話題です。2015年にはニューアルバムの発表も控えているZEDD。発売が待ち遠しいですが、まずはこちらのミックスで予習もいかが?
Q mix #8 – ZEDD Edition by Quael on Mixcloud